チップコンデンサ、チップ抵抗などの半田付け

1)方法1
ピンセットでのりや接着剤を使って、基板にチップを仮止めします。そしてその後はんだ付けをします。

2)方法2
片側のランドだけ先にはんだを盛り、これをこてで溶かしながら、ピンセットを使ってチップ部品を固定します。なれるとこちらのほうが早いです。

チップ部品の一部のランドだけ半田を盛る

半田をコテで溶かしながらピンセットを使用して部品を付ける

チップ部品が固定されたら残りのランドを半田付けする

チップ部品をピンセットでつかむ場合は、ピンセットにかかる力でチップ部品を飛ばしてしまわないように十分気をつけましょう。飛ばしてしまっても探すことができるように、きれいな部屋で作業をするか、部屋が汚い場合は新聞紙などを広げて、部品が飛んでも補足できるようにするといいでしょう。

0.5mmピッチのはんだ付け

カメレオンUSBのキットを作った当初、私は0.5mmピッチのはんだ付けは、上級者でないと難しいと考えていました。
恥ずかしながら、私もフラックスを使わずにはんだ付けをしていましたので、はんだがだまになりやすく、非常にはんだ付けに神経を使っていました。
その後、私もいろいろな方の意見を聞いたり、このHPの掲示板の書き込みを参考にして、キットの組み立てを行っているうちに、実はプリント基板の0.5mmピッチのはんだ付けは「道具」さえちゃんと揃えて臨めば、決して難しいものではない、との考えに至るようになりました。(初めて半田ごてを握るという人を除き、数回はんだ付けの経験がある方なら何とかなるのではないでしょうか。)
ここに書かれている内容は、諸先輩のHPの書き込みを参考に、私の経験を踏まえてまとめたもので、これからキットを作成される方には参考になると思います。

まず、はんだ付けで用意する道具です。

必ずこれだけは用意してください。
はずかしながら私は数ヶ月前まで、フラックスを使わずにはんだ付けをしていました。フラックスを初めて使ったときは、その効果に感激をしたものです。私の手元に、フラックスを使って作った「カメレオンUSB」と使わないで作ったものがあるので、ご参考までに写真を添付しておきます。


フラックス未使用 はんだがボテボテして見栄えも悪い

フラックス使用 仕上がりが滑らか


<はんだ付けの手順>

1) チップの位置を決める

まずチップの位置を決めます。このとき必ずチップの1番ピン(ポッチやマーキングのあるのが一番ピンです)を基盤の一番ピンにあわせます。このときチップの向きを間違えると、取り返しのつかないことになります。
そして、基盤のランドとチップのピンの位置を合わせます。基盤のランドには既にはんだが付いています。このため、ランドがはんだの厚みで盛り上がっているため、思うようにチップの位置を合わせられないことがあります。その場合は、セロテープの粘着力を落としたものか、ポストイットのようなものでチップを持ち上げながら位置調整を行うとうまくいきます。

2) 2点をはんだで仮止めする

チップがずれないように、指で押さえながら、2つのピンをはんだで仮止めします。2点は対角線上に取れればベストですが、別の辺のピンでも十分です。カメレオンUSBのプリント基板に最初から付いているはんだで十分仮止め可能ですので、別途はんだを追加しなくても大丈夫でしょう。
このときのはんだ付けのコツは、まずこて先をランドに当てて、解けたはんだをピンの方にずらしていくような感じではんだ付けします。
仮止めが終わったら、念のためルーペで4隅のピンがランドと合っているかチェックしておきます。この時点であれば仮止めのはんだを外して、チップの位置を再調整できます。

3) 一辺ずづはんだ付けをする

ここから本格的なはんだ付けです。まず、チップの1辺にフラックスを塗ります。このときフラックスがピンの足にかかるような感じで塗ったほうがブリッジになりにくいようです。そして、ルーペを使ってはんだ付けをします。
カメレオンUSBのCPLDとロジアナキットのPBSRAMのランドはかなり広めに取ってあり、基盤に最初から付いているはんだの量も割りと多いため、この2つのチップに関しては、はんだを追加しなくても、基盤のはんだだけではんだ付け出来るようです。(ただし基盤についているはんだは、ロットあるいは基盤ごとにむらがあるので、必ずこの方法が使えるというものではありません。適宜はんだを追加してください。)
まず、こて先をランドに当てて、基盤のはんだを溶かします。フラックスにははんだを活性化させる効果があるため、勝手にはんだがランドを伝わってピンの方に流れていくはずです。そのままこて先をピンの方にずらしていき、最後にピンを少しこて先で軽く押さえます。(ピンが基盤から浮いていてはんだ不良になるケースを防ぐため)
そして、一辺のはんだ付けが終わったら次の辺に移ります。一辺づつ行うのは、ランドに塗ったフラックスを乾燥させないためです。

4) はんだブリッジの確認

全ての辺のはんだ付けが終わったら、ルーペを使ってはんだブリッジの確認をします。蛍光灯や電球などに基盤をかざし、基盤の裏面から光を当ててルーペで確認を行うと、ピンの裏側まで目視することが出来るので、より確実にはんだブリッジの確認が出来ます。

5) はんだブリッジの対処方法

はんだ付けの際にはんだブリッジ(2つのピンの間にはんだが入り込んでしまうこと)になってしまうことがあります。その原因の多くは、はんだのつけすぎ、あるいはフラックスを塗らなかったことに起因するようです。
はんだブリッジになってしまった場合はまず、フラックスをブリッジの部分に塗って、はんだごてを当ててみます。勝手にはんだが本来の場所に流れて戻ってくれればOKです。もしこれで駄目なら、はんだ吸い取り線、はんだ吸い取り機などで、余分なはんだを取り除いてから再度チャレンジしてください。
注意点は半田ごてに力を加えすぎて、ランドをきづつけたり、ピンを曲げたり、折ったりしないことです。
裏技として、どうしても除去できないはんだブリッジは、裁縫用のまち針で掻きだすというのもあります。